ぼちぼち堂

会津の片隅で、古本屋オヤジと定食屋オカミになりたい夫婦もんの徒然

山之口獏/生活の柄

  8月11日の今日は「山の日」で祝日となりました。東京での技術者時代は時代は祝日が増えると嬉しい反面、色々仕事が増えたもんだなぁーなどと思いだしながら、夕焼けを眺めに。

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会津盆地の優しい夕暮れです。

海の日/山の日とくれば、次は「盆地の日」かな!?

 

 こんな夕暮れを眺めていて思い出しました。高田渡がよく曲をつけて歌っていたのが、山之口獏を知った最初でした。

 〜歩き疲れては、

  夜空と陸との隙間にもぐり込んで寝たのである

  草に埋もれて寝たのである

  ところ構わず寝たのである〜

 

この後、寝たのであるが眠れないと続く、有名な「生活の柄」。多分秋から冬にかけての歌であろうが、高田渡の朴訥な歌声とともに頭に浮かんできました。

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 山之口獏全集第一巻。

詩人の本らしく、瀟洒な深いブルーの布装丁です。

 絵に描いたような、貧乏詩人。この本に文章を寄せた、佐藤春夫金子光晴、山口泉などの賛辞を読むにつけ、ある意味理想的な「詩人」であったかもしれません。

 

 さて古本屋ぼちぼち堂、ようやく開店3か月となりました。

これから数ヶ月、雪深い会津の冬には、この詩のような生活の柄が待っているのでしょうか。怖いようなちょっと楽しみのような。。。