「私は自分が凡人であるのがしみじみ淋しくうれしいのである。
人のくらしはささやかなものである。そのささやかなものの中にしか幸せはない…」
今日ご紹介する本のあとがきの一節。
お客様に食事を運んだおり、ふと外をみると、お客様の車に写り込んだぼちぼち堂の本棚。さながら小さな移動図書館のようです。
そういえば、このぼちぼち堂を始める前は、広く世間に打って出て、リヤカーなんぞに古本を積んで街々を練り歩くんだ!なんぞと、前のめりに、思い詰めた妄想を膨らませたこともありました。
現実はといえば、ぼーっとお客さんのこない外をみるばかり。店を始めて1年数カ月、もうすでに、日常に埋没している日々。
これでいいのか。。。やりたかったことはこんなことか。。。
などと思っていたこの頃の中で、ふと手にとったこの一冊
1982年、佐野洋子「あのひの音だよおばあちゃん」
佐野洋子さんの気取らない易しい言葉は、ズイッとこんなオヤジの心に入ってきます。
「選ばれてあることの恍惚と不安」というざわざわした言葉もありますが、まずは普通に日々を感じ、楽しめる事が、今出来ることなのだろう。。。なんて思い決めることとしました。
さて日常の楽しさという点では、この素朴さがなんとも懐かしい。こんな本も出てきました。