ぼちぼち堂

会津の片隅で、古本屋オヤジと定食屋オカミになりたい夫婦もんの徒然

紅蓮の炎

7月 まだまだ梅雨のまっただなか、昨日の夕暮れです。

この季節、大気がたっぷりの水蒸気を含んでいるからでしょうか、立葵の毒々しいまでの紅色とあいまって、息を飲む光景
ボキャブラリーの貧しいオヤジには、紅蓮の炎、地獄の釜が開いたなんて言葉しか思い浮かんできません

火炎地獄とはこんな感じなんでしょうか…

ただし、ほうけて眺めるこの光景には不思議と禍々しさはなく、偉大なものの前で、無心になる小人の心持ちとは、こんな感じなんだろうか、と思わせるものがあります。

 

 

さて今日も、その佇まいに荘厳な気持ちになる大物の本のご紹介

今まさに、朝ドラで話題の 牧野富太郎博士の主著「牧野日本植物図鑑」

昭和15年に発刊された元本の、昭和52年の忠実な復刻版です

図鑑という言葉は、この本が語源なんだそうですよ

 

中身は膨大な量の、分類された植物の丁寧なスケッチと文語体の解説ですが、巻頭には美しい彩色画もついています

ご主人の大切な蔵書だったとか、ことのほか美本です。