ー ノラや、お前は三月二十七日昼間、木賊の繁みを抜けてどこへ行ってしまったのだ、それから後は風の音がしても雨垂れが落ちてもお前が帰ったかと思い、今日は帰るか、今帰るかと待ったが、ノラやノラや、お前はもう帰って来ないのか。 ー
先日お客様から教えていただいた、迷い猫が帰るというおまじない
それで、内田百閒のこの本を思い出しました。
あの、偏屈で知られた、夏目漱石の門下生にして芥川龍之介と並ぶ大文豪が、齢70にして、元々は捨て猫の「ノラ」との惜別を1年余り嘆き、悲しみ、そして文学にしてしまった一冊。
パラパラ読み始め、クスクス笑ったり、ジクジク痛んだり。。。
いなくなってまだ1週間ですが、緑町界隈でのご近所さんとの挨拶は、
「モモは帰って来たの?」
、、、
雷鳴と夕立の叩きつける蒸し暑いこの数日、くらい夕暮れが続いています。
湿気が多いのも相まって、ついつい手が重くなってしまいますが、振り切るように、本も出してます。
良質な物語の詰まった、新潮社のクレストブックシリーズ
そのほかにもこんな本たち、です。